石巻公演 シゲさんレポート

2013年12月1日

石巻公演のチラシは、石巻の人たちが作って下さった。そして、そのチラシを見て、本当に感激した。当日のパンフレットにも書かせてもらったが、主催、後援、そして協力団体としてチラシに載っている名前の数がスゴかった。その数に、石巻公演の初演(2012年6月)とは違った責任の重さを感じた。

1年半前には、東浜小学校の体育館と石巻市中央公民館の2ヶ所で公演をさせていただき、終演後、石巻のみなさんに背中を押してもらった事で、全国公演に向かうキッカケをもらった。

準備からチケット販売まで全てを石巻実行委員の皆さんが。
準備からチケット販売まで全てを石巻実行委員の皆さんが。

今回の準備、そして、中央公民館での仕込みでは、あの時とは違った雰囲気で、とにかく石巻の人達がたくさんいた。そして、とても賑やかで笑顔がたくさんあった。悲しい出来事が起こり、いまだ苦しんでる人がたくさんいる。だから、この公演で伝える事の大切さを感じながら、そこに笑顔があるというのは、しかも石巻の人たちの笑顔があるのは、あの頃、想像できなかったが、素直に嬉しい。

石巻公演でのパンフレットに『初めて石巻の風景を目にした時、復興するのに何年かかるんだろうという思いすら浮かんで来なかったのを覚えています。何が起きたのかという想像も出来なかったです。3日で帰って自分のできる支援を考えようと思い、それが1週間に延び、1ヶ月、3ヶ月、気づいたら半年、そして1年が経ってました。あの時、3日で東京に戻ってたら、いま、石巻に出来た、たくさんの友人と出会うことはなかったし、石巻の牡蠣や雄勝のホタテ、女川の秋刀魚の味を知ることもなかったでしょう。石巻の漁師さんが言ってました。「もちろん津波なんかなかった方がよかった。あんなもんなくてよかった。でも、こうして、いろんな人に出会えて繋がれていることは素直に嬉しい」と。その想いを持って、これからも伝えていければと思っています。』と書かせてもらった。笑顔があり、笑いがあるから、悲しい想いが伝えられるのだと思っている。

振り返ると、アッという間に【イシノマキにいた時間】の初演から2年。今回の石巻公演にかぎらず、本当に協力・支援してくれる人たちの輪が広がって、この公演は繋がっている。その中には、その時の公演地で、次の公演地のチラシを配るという、掟破り?の他力本願作戦を、見てくれた人が自分の想いも乗せて宣伝してくれるチカラは、本当に大きく広がってることを実感している。

 石巻公演 制作レポート

尾形さん作成の石巻公演チラシ

尾形さん作成の石巻公演チラシ石巻公演の準備は夏から始まりました。2013年6月の仙台公演の際に、石巻から観に来て下さった尾形さんとそのお仲間が、石巻実行委員会を立ち上げてくれました。

8月終わり。ピースボートセンターいしのまきをお借りして行われた初回打合せ。女性ばかりの熱い実行委員の皆さんでした。

今回の石巻公演は、チラシ作成から、後援協力探し、後援申請、メディアPR、チケット印刷、手売りでの前売り券販売、当日パンフレット作りと、ほぼ全ての制作工程を尾形さんと実行委員の皆さんで行なって下さいました。2012年6月。この作品をこの時期に、石巻で上演して大丈夫なのか?不安でいっぱいの中、初めての石巻公演が行なわれました。あの時は、ピースボートのボランティアの皆さんに、準備から実施までの大部分を手伝って貰いました。あれから1年半後、こうして石巻市民の皆さんの手によって実施されることが、一緒に準備を進める制作としても、すごく嬉しい出来事でした。

会場の中央公民館の舞台袖には、震災前、石巻市民会館で活躍していたグランドピアノがありました。市民会館は被災し、取り壊しが決まったのですが、沢山のアーティストに演奏され、市民に多くの喜びを与えてきた大事なピアノを再び石巻の地で、現役に戻そうと、地元の調律師・遠藤信和さん(集合写真、田口くんの左隣)が、時間をかけ甦らせ、市民会館閉鎖後、中央公民館に移されていたグランドピアノでした。

グランドピアノの移動を見守る吉俣さん
グランドピアノの移動を見守る吉俣さん

今回の石巻公演では、その甦ったピアノを吉俣さんに弾いて頂きたい!と仰る尾形さんや実行委員さんの強い思いがありました。とは言え、中央公民館の舞台は狭く、グランドピアノを置くと芝居が出来ません。かといって、グランドピアノを舞台の下に降ろすには専門の業者さんが必要で、費用もかかります。心配する我々東京の制作陣に「大丈夫です!チケットみんなで、沢山売りますから!!」と力強く、グランドピアノの演出を決めたのも尾形さんでした。

 

遠藤さんの手により甦ったピアノは、吉俣さんも驚くほどの素晴らしい音色でした。更にはこのピアノ、その昔、吉俣さんも弾いたことのあるピアノだったのです。そのエピソードは→コチラ。石巻の皆さんにも、吉俣さんにも、我々にも沁み入る音色でした。

尾形さんのご挨拶。打上げ会場にて。
尾形さんのご挨拶。打上げ会場にて。

終演後の打上げでは、実行委員の皆さんから、チケットの手売り販売の時のエピソードを伺いました。同じ石巻でも、人それぞれ被災状況が違います。心の状況もそれぞれです。そんな中、「イシノマキにいた時間」という作品のチケットを売りに歩くことは、断られることも勿論有り、大変な日々だったと思うのです。ですが、実行委員の皆さんは、とっても明るく「そこは、私たち、おばちゃんパワーで、観たら絶対良かったって思うから、よかったら来て下さいってダメ押ししたよね~」と笑って仰るのです。

実行委員の皆さんとて、辛い時間を過ごされてきています。その上で、同じ地で生きる人達に、1人でも多くの石巻の人に、この作品をきっかけに、思い切り笑って、泣いて、前に向かって歩いて欲しい!と動いて下さっていたのです。実行委員の皆さんの優しい笑顔の奥に、心の復興を強く願う、石巻の女性の力強さを感じました。

1年半ぶりの石巻公演。今回も沢山のことを感じさせて頂き、全国へ伝えていくパワーを頂いた公演でした。石巻再演  入場者数 450人。

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